2026年3月のお休み|ネガティブ思考を変えるきっかけになった一冊『月白の道』
今月のお休みは以下の通り
【定休日】月・木・日曜午後
【臨時休業】3月15日(日)
3月28日(金)∼30日(月)
あらすじ
月白の道は中公文庫から出版された戦争散文集
舞台は第2次世界大戦
著者である丸山医師は召集を受け、軍医として東南アジアに出兵
食料も武器が枯渇した状況で北ビルマ(現ミャンマー)で奮闘するも、丸山医師の司令官である水上源蔵(みなかみげんぞう)少将に対し現地での死守が命じられる
しかし水上少将は、兵士達への退却命令を遺書に残し自決
部隊は全滅を免れるが、その後は想像を絶する地獄の敗退となった…
丸山医師は奇跡的に生還するが、その記憶を書き残す決意を固めるには25年もの時間を要したと打ち明けている

色んな事柄に対して深刻に考えていた
なんかいい加減に考えるって、自分のなかで許せなかったんですよね。
悪い事をしている感覚になっちゃて^^;
かといって完璧に出来る人間でもないし、
よく忘れるし、ミスも多いです。
そのくせ、自分でコントロールできないことを深く考えてしまう。
だから、いつも何かに疲れていました…
死の意識について…
しかし、あらすじで紹介した『月白の道』を読んで考え方がに変化が起きました。
そのきっかけをくれたシーンを紹介します。
退却命令を受け、後退している最中
味方兵士と食を共にしている時です。
以下引用 (著者 丸山医師の回想)
火をかこみ胃袋をみたして、ここちよい充足が私たちをついおしゃべりにした。
きっかけがなんであったか忘れたが、金丸少尉と話のうまがあって、おもに死の意識について夜おそくまで語ったものである。
かれは、傷が化のうしたため、
はれあがって軍靴もはけぬ片方の足を、つめたい水でひやしながら、熱っぽく死の意味を追った。きのうまでじぶんの死臭をかいで生きてきて、あすからも死のいぶきを感じて脱出行がつづくだろう。
達観すればあっけなく、執着すれば深刻になるもの。
そこいらの風のように透明にながれていて、それが動けば、生がきらきらとかがやいたり、くらくかげったりするもの。
このつかみどころのない死を、たしか北九州の若い僧侶であった金丸少尉は熱心に私に語り、私もまた素心をのべた。
引用:丸山豊,『月白の道』,中公文庫,2021,P117
その翌日、
脱出途中の山道で金丸少尉は、手りゅう弾にて自決されます。
化膿した足では脱出できないと悟ったのか、
味方の足手まといになるからなのか、
死について丸山医師と語り心残りがなくなったからなのか、
答えはわかりません。
でもそれが金丸少尉にとって深刻な選択ではなかったと想像できます。
もし自分なら生に対して執着し、恰好悪くても何とか生き延びようとするでしょう。

自分がコントロールできないことは執着しない
この本を読み終えて、達観することと深刻にすることの違いが、自分のなかで少し明確になりました。
達観するべきものは、絶対に避けられない寿命と、他人の感情、自分でコントロールできないことです。
いつ病気になるか、事故に遭うかもわかりません。
しかも人生って、あっという間ですよね^^;
だから、人に対しては誠実に伝える。
僕は整体院を運営しているので、提案をすることが多いです。
人によっては
「この人、営業のために言ってるんじゃないか」
と思われることもあるでしょう。
逆に、自分を守るために発言を控えてしまうこともありました。
だから後悔しないように誠心誠意を込めて伝える。
その先の結果は天命として受け入れるしかないと思っています。
そして丸山医師がこの本で一番伝えたかったことは、あらすじでも触れた水上少将の人徳ではないかと、僕は感じています。
読み終えたあと、生きることと死ぬことの境界線が、淡々と描かれていることに魅力を感じています。
興味がある方は、ぜひ一度読んでみてください。

8分43秒∼9分27秒に戦地で敵対した時の心境を語られています。

